教会の目的は、神がなされている永遠の働きである「神の国」の働きのなかで、この時代、この地域において、神が私たちに与えておられる神の国の役割を果たしていくことです。この目的達成のために、私たちが特に大切にしている3つのポイントがあります。
1.正直さ
クリスチャンは聖人ではなく、赦された罪人にすぎません。どこまで行っても完全になることはできません。ですから、私たちの教会では、完成者の道ではなく、正直な者の道を目指していきます。
成長し続ける
神の国の働きを遂行していくために、私たちは自分が生来持っている考え方から、神の持っておられる世界観へと変えられていく必要があります。それはひとりひとりが成長するということです。
その成長とは、これまでの考え方の延長線上にあるのではなく、価値観の転換(トランスフォーメイション)であるパラダイム・シフトによらなければ始まらないということです。聖書では、これをメタノイヤ(方向転換)と呼びます。
この成長の条件であるメタノイヤのために神様が必ず用いられる方法があります。それは、神様によって「砕かれ、つぶされる経験」です。「うなじのこわさ」をもった私たちにとって、残念ながらこのことなしには成長していくことはできません。私たちが成長していくためには、自分の考え方や生き方が如何に自己中心的であったのかという気づきが必要であるということです。
恵みの体験と謙虚さ
神様は、私たちを用いるために訓練をされます。ですから単に砕くためだけではなく、そこには、神様の大いなるあわれみと救いも同時に用意してくださっています。この恵み経験が、私たちが成長に取り組む心の動機となるのです。
この経験とは「謙遜にされる」プロセスであり、この謙遜さこそが、私たちが継続して成長していくことを可能にするものです。
しかし、この謙遜さはうわべだけの謙遜さ、すなわち偽善にとって代わりやすいものです。ですから、私たちの教会では、「正直な生き方」というものを何よりも重要な教会の規範として掲げています。神の前に、そして人の前に正直に生きるということを徹底しなければ、成長もなければ、神の国の働きもありません。
正直である
この正直さは、他の人との交わりの中において育まれていくものです。神との交わりの深さと他の人たちとのそれとは、常に平行して行くものだからです。私たちの教会では、慇懃さや偽善を排除し、徹底した正直さを育んでいけるように、リーダーたちが率先して自分の弱さと取り組み続けることを常に目指します。この姿勢を「変えられ続ける人生を生きる」と呼びますが、これは私たちの教会が基本的規範とするものです。
安全な環境
この正直さとの取り組みを実行していくためには、ひとりひとりが誰からの圧力も強制されることもなく、神様との関係の中、自分のペースで自分の抱えている課題や弱さと取組むことができる安全な環境、そして交わりの場が必要となって来ます。この環境を提供することを教会堂について考える時も土台に据えたいと思います。
2.外から内へ
今見た第1のポイントを別の表現で言うなら、自分のような問題を抱えている者が、神様の恵みによって赦され、立ち上がらせ、生きる使命と目的を発見させられるようになってきたことへの感動と感謝ということができます。
動機
この感動を他の人にも伝えていきたいと願いが第2のポイントの動機です。ですから、第2は、この恵みを経験したひとりひとりは、この恵みの福音(グッド・ニュース)を未だ聞いたことのない人たちに届けるために、あらゆる努力をしていくというのです。
まだこの教会に属していない人のために
まだキリストの福音に触れたことのない人々にこの方を紹介するために、自分の権利を主張せず、自分にとって不都合と思われることでも、喜んで彼らに仕えて行きます。これをUs for them原則と呼びます(You for meではなく)。神様が、天から下って人間の姿をとられたという生き方の中にその由来を見ます。成長し、キリストのようにされていくということは、この他の人のために自分の不都合も喜んで受け入れるという姿勢を身に付けていくことにほかなりません。
土着との取り組み
この取り組みは、今日の日本においては、聖書の教えを妥協せずに、どこまで教会の敷居を下げることができるかということであり、また如何に聖書のメッセージをこの時代において理解されるようにコミュニケートしていくということです。そのために私たちの置かれているコミュニティのニーズや問題に対してしっかりと目を向け、積極的にそれらに応えていけるように努めたいと思います。時にそれは、この世の文化との対話であり、また対決であるかもしれませんが、しっかりと教会の考え方をこの時代にあって言葉と行動によってコミュニケートしていくことです。
歓迎を表現する
教会の敷居を下げるためのあらゆる努力をすると同時に、どうしたら教会に来たことのない人たちが、不安を持つことなく足を運ぶことができるのかを模索する必要があるでしょう。開かれた教会のイメージが、これまで教会に足を運ぶことに躊躇を覚えていた人たちへの新たなメッセージとなるように努力したいと思います。
3.人生の目的を見出し、発揮する
私たちの教会は神様の目的に動かされる教会を建て上げていくために、神様が送って下さったメンバーひとりひとりに賦与された「神の目的」を見出し、それらを共につなぎ合わすことによってその実現に取り組んできます。
人が生かされる所
教会は人であり、有機体です。メンバー同士の関係の在り方が、教会の姿を映しだしているのです。私たちは、そのひとりひとりが神様からの無二の賜物をいただき、その賜物が生かされ、互いにつながることを通して始めて教会に与えられた神の目的が全うされていくということを信じています。それゆえ、メンバーひとりひとりをかけがえのない大切な存在として認め合い、互いに支え合いながら神の目的を全うしていきます。
私の目的、そして教会の目的
私たちの教会では、ひとりひとりに与えられた神からの賜物・情熱・能力・性格・経験(SHAPE;Spiritual Gifts, Heart, Ability, Personality, Experiences)といったものを発見し、発達させ、成長させていくことが教会の生命線であると信じています。そのために、「Good Enough原則」というものを取り入れ、はじめから上手にできなくても、失敗を恐れずにどんなことにでもトライすることを奨励します。
この時代にあって、私たちの教会が神の目的に従った教会運営をしていくには、神様がひとりひとりのメンバーに与えられておられる人生の目的をひとりひとりが確信することから始まるので、メンバーが自分のSHAPEを確信して生きていけるように、人生の目的を発見するための教育に力をいれます。
創造性と永遠性
メンバーひとりひとりに与えられたSHAPEが生かされていくために、既成の概念にこだわらず、常に新しく創造的な在り方を模索する教会でありたいと思います。
また、神様の永遠のご計画の一端を担う存在であるということから、永遠を希求する未来性を持った教会を目指します。それゆえ、次代の子供たちの将来についての深い関心と問題意識を持った教会の在り方を模索していきます。